ダイビング後の飛行機搭乗について

今回はダイビング後の飛行機の搭乗についてです。

ダイビングをする事で、その後の飛行機に乗ることに
制限があるのをご存知でしたでしょうか?

ここではダイビングを終えた後に、なぜ乗ってはいけないのか?
飛行機に乗るのを何時間空けた方がいいか?
直前に飛行機に乗った後のダイビングはどうか?
その他 危険性や対策はないかなどを、記載していきたいと思います。

ダイビングの後に飛行機に乗れない理由

ダイビング後は飛行機に乗ってはいけないと
OWD講習の時に習います。

それは減圧症を引き起こすリスクがあるからです。

ライセンスを海外などのリゾート地で取得された方も
旅行計画や申し込みの段階で案内がされたか
注意書きがあったはずです。

なぜダメなのか主な原因について

それではなぜ飛行機に乗るのがダメなのでしょうか?

原因は主に2つで、残留窒素と気圧の変化によるものです。

残留窒素とは

ダイビングをした時に体に溜まる窒素が、まだ体に残っている状態で
この体内に残っている窒素の事を残留窒素と言います。

気圧の変化について

山など標高の高い所は気圧が低いです。
同じように飛行機でも、上空では機内の圧力が低下します。

ダイビングをした後に身体に残る残留窒素が
まだ抜けきっていない状態で飛行機に乗る事で
体にかかる気圧の変化から、それまでは何の症状も感じていなかった体も
サイレントバブルと言われる、体内のわずかな窒素が膨張し
減圧症を引き起こす恐れがあります。

これがダイビングに飛行機に乗れない理由です。

飛行機内の圧力変化について

飛行機内の圧力がどれくらい変化するかと言うと

JALのHPには飛行機が上空を飛んでいる時に
機内の圧力が約0.8気圧まで下がる事が記載されています。

陸上では1気圧の環境ですから、気圧が0.8まで下がるという事は
0.2気圧の圧力差を体に受ける事になります。

0.8気圧と言うと、標高2000mの所にいるのと
ほぼ同じ事になります。

ANAのHPでは、飛行機の離陸時の速度が約250kmで
そのまま500kmの早さまで加速し高度を上げていくとあります。

水中の急浮上に比べれば、可愛いものですが
車と比べても、飛行機内の気圧変化の早さが想像つきます。

離陸するとすぐ耳に違和感を感じ
圧力変化の実感がくるはずです。

飛行機搭乗まで何時間空ければ大丈夫か

では飛行機に乗るまでは何時間あければ
絶対大丈夫かと聞かれたら、具体的に何時間という
明確な答えはありません。

これは「減圧症は100%完全に防ぐ」という事が出来ないからです。

指導団体の大手PADIを筆頭に
ダイビング後の飛行機搭乗は
16時間以上空けることを推奨しています。

 

 

これが現段階での、世界的な基準となっています。

実際に規制のあるグアムやモルディブなどでは
帰りの便まで16時間空いていないと
ダイビングの予約が出来ない事が多いです。

最終日の午後のダイビングが出来ないなどは
よくありますので、事前に旅行に出る際は確認されるといいでしょう。

ただ、2日以上ダイビングをしたり
反復潜水をしている場合は、24時間空けることが推奨されています。

ですがそうなると、帰る前日もダイビングが出来ず
ダイビングをメインに旅行に出る場合は
かなり厳しいものがあります。

2泊3日の沖縄旅行になると、初日しか潜れない
事になってしまいます。

飛行機搭乗に向けて対策を考える

では潜りたい人に対して、何かいい方法はないものでしょうか?

帰りの便を調節する

海外など一日に1便しか出てない所も多いので
調節自体が難しい場合も多いですが
沖縄など、1日に複数便出ている所でしたら
帰りの便を遅い時間の便にする事で
ダイビング終了からの経過時間を調節する事も出来ます。

長い時間が空いていた方が、より安全度は高くなりますので
可能な場合は、時間に余裕を持つ事をお勧めします。

朝早い時間のダイビングに参加する

早朝ダイビングや時間リクエストのきく場合は
早めのダイビングに切り替えて、終わったら観光にする
などのように調節していくのもいいでしょう。

終了時間が早ければ、飛行機までの時間も空けれますし
片づけや器材を乾かしやすくもなります。

時間や環境の問題ですので、難しい場合もしばしばあるとは思いますが
可能な場合は検討をお勧めします。

ダイビング前の飛行機搭乗について

ここまででダイビング後の飛行機搭乗に
リスクがあるのは分かりました。

それではダイビング前の飛行機搭乗の場合でしたら
いかがなものでしょうか?

旅行の出発日は、ダイビング直前に
飛行機に乗っている事になります。

身体に窒素が溜まっている訳ではないので
その点は、問題なく乗れます。

次に圧力変化が体に起こるので、指導団体のBSACでは
飛行機搭乗後のダイビングでは、安全を配慮して
ダイブテーブルで1段階少なく、無減圧限界時間を見積もります。

ただ気圧が低い所にいた事で、体内窒素の量が少なくなり
安全度が増すという意見も出ています。

この圧力変化の点においては、気にする必要はないでしょう。

気にするべき所は体調管理

出発日の飛行機に乗る時は、前日からの睡眠時間が短くなりがちです。

さらに到着後のダイビングは、時間に余裕がなく
到着早々に準備などで、バタバタしやすいです。

本来であれば、固まった体を体操などでほぐし
食事・水分・休憩をしっかり取ってから
ダイビングに向かいたいのですが、中々そうはいかないと思います。

よほど時間にゆとりのある方でない限りは
体調面から、耳抜きや減圧症などのリスクが増加しやすいはずです。

飛行機に登場後のダイビングについては
ここを一番気を付けるべきだと考えています。

予防と安全対策を考える

ダイビング後の飛行機搭乗においてリスクを減らす方法

ここまでで、ダイビングをした後に飛行機に乗る事が
悪い事として印象に残っているかも知れません。

ですが飛行機で来た以上、飛行機で帰る事がほとんどです。

それを見据えて気をつけられる事を
ここに記載しておきますので
是非参考にして頂きたいと思います。

体調面における予防方法

  • 深酒・夜更かし・脱水等、体調管理に気を付ける
  • 身体を冷やさず・温め過ぎず、水分をしっかり摂って血液循環の良い状態を保つようにする。
  • ちゃんとした呼吸を続ける事が残留窒素の排出をスムーズにするので
    ダイビング後のうたた寝は気持ちいいですが、寝ている時は呼吸が浅くなるため
    寝るときにしっかり寝るようにする

ダイビングスタイルにおける予防方法

  • 深い水深・長い潜水時間・多くの反復潜水など、無理のないダイビングスケジュールにする
  • ダイビング最終日は特に無理しない
  • ナイトロックスでのダイビングにする
  • 純酸素を使った加速減圧する
  • ダイビング後すぐに純酸素を吸引して、体内の窒素を早めに抜く

以上、ダイバーとして飛行機搭乗に備えて出来る事は
体調管理と残留窒素を減らす事です。

これがリスクを減らす事に繋がります。

これらを何か1つでも実践できたら、大いに減圧症の危険性を
下げる事が出来ると思います。

ここを見て頂いた方達が、ダイビング後に何の不調も感じず
先々のダイビングまで楽しまれるよう祈っています。